数の歴史

数が生まれた歴史は、人類がどのように問題にぶつかり、またそれを乗り越えようとしてきたかという、あらゆる問題解決のエッセンスと言えるかもしれません。

まず物を数えようとして、自然数が生まれました。

そして、りんごが10個とれたから、5人でわければ2個ずつ食べれる、A君は1個たべたから、あと一個だけしか食べれない、と言った具合に自然数を使い始めました。

自然数の発明により、ものを加減乗除できるようになったわけです。

ある時、自然数では表現できないことがあるという問題にぶつかりました。

りんごが4個しかとれなかったから、5人でわけると一人食べられないが、いくつ足りないかという問題です。つまりマイナスの概念が自然数にはないのです。

そこで、整数が生まれました。これでマイナスの概念が生まれ、「あと1つ足りない」と言えるようになったわけです。

整数を使っていろいろと考えることができるようになりましたが、また問題にぶつかりました。

整数を整数で徐算した結果が、整数では表せないことがあるのです。

たとえば、4÷3や、-6÷10などのように。

そこで、有理数を発明しました。有理数は英語でrational numberと言い、これは「比(ratio)を有する」という意味です。つまり有理数とは分数で表せる数の集合です。

たとえば3という数字も、$\frac{3}{1}$で表せるので有理数の一部になります。

また$\frac{1}{2} = 0.5$のような有限小数も$\frac{1}{3} = 0.333..$のような循環小数も有理数です。逆も成り立ち、有限小数または循環小数で表せる数は有理数です。

有理数で考えていくうちにまた問題にぶつかりました。分数で表せないものがあるのです。

$\pi$や$\sqrt{2}$などのような無理数(ir(=非)+ rational(=有理的) number)、つまり循環しない無限小数です。

この有理数と無理数を合わせて、実数と呼ぶことにしました。

これでひと段落かと思いきや、つぎはこんな変なことを考えてしまいます。

$$ i^2 = -1 $$

の時、$i$は何になる?という問題です。

これはつまり、$\sqrt{-1}$になるわけですが、これは明らかに整数ではないし、有限小数でも無限小数でも表すことができません。

そこで、$i$を虚数と呼ぶことにしました。$i$は想像上の数 imaginary numberの頭文字であることからもわかるように、不思議な数です。

実際には存在しないが、理論的な必要から存在しているかのごとく扱う数のことです。しかし、これが単なる虚構ではなく、現実の問題の本質を深く理解する上で不可欠な道具であることがわかってきたのです。この虚数が実在の数の世界を支えていて、それどころか、虚数を通してこそ、初めて実在の数の世界の美しい秩序が見えてくることが明らかになりました。

具体的にはたとえば電気の理論や、病気の検査に対して、この虚数が使われています。虚数は日常的に目にする現象を記述するためにとても有用な言葉になるのです。

さらに$a+bi(a,b:実数)$で表される数を、複素数(complex number)と名付けました。このaを実数として、bを虚部、つまりbiを虚数として表すことにより、対応できるようになったのです。